黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
彼がお世辞を言っているのはわかっているが、それでも褒められると嬉しくて頬が熱くなっていく。
「そんなことない。
斉藤さんに見せてみなよ。
絶対、コピーもらえる?って言われるから」
彼は自信満々だが、私の手製辞書にそこまで価値があるなんて思えない。
……などと謙遜していたが、のちに業界の出版社から声がかかって驚いた。
メールの訳も終わり、ちょうど届いた手紙を仕分けていく。
「あ……」
その書類を見て眉間に力が入った。
ざっと目を通すとますます不快になっていく。
「……前の会社から和解の提案書が届いてます」
「見せて」
私が立ち上がるより早く、晴貴さんがやってきて書類を受け取る。
私の前で彼が確認し終わるのを黙って待った。
「ここまで酷い若い提案書書く弁護士、憲吾先生の他に初めて見た」
「は?」
おかしそうにくつくつと喉を鳴らしている彼がなにを言っているのかわからなくて、真顔になった。
しかし完全に晴貴さんは呆れていて、酷い内容と思った自分の感覚が間違っていなくて安心した。
「詳しく説明するな」
書類をテーブルの上に置き、晴貴さんが丁寧に説明してくれる。
「そんなことない。
斉藤さんに見せてみなよ。
絶対、コピーもらえる?って言われるから」
彼は自信満々だが、私の手製辞書にそこまで価値があるなんて思えない。
……などと謙遜していたが、のちに業界の出版社から声がかかって驚いた。
メールの訳も終わり、ちょうど届いた手紙を仕分けていく。
「あ……」
その書類を見て眉間に力が入った。
ざっと目を通すとますます不快になっていく。
「……前の会社から和解の提案書が届いてます」
「見せて」
私が立ち上がるより早く、晴貴さんがやってきて書類を受け取る。
私の前で彼が確認し終わるのを黙って待った。
「ここまで酷い若い提案書書く弁護士、憲吾先生の他に初めて見た」
「は?」
おかしそうにくつくつと喉を鳴らしている彼がなにを言っているのかわからなくて、真顔になった。
しかし完全に晴貴さんは呆れていて、酷い内容と思った自分の感覚が間違っていなくて安心した。
「詳しく説明するな」
書類をテーブルの上に置き、晴貴さんが丁寧に説明してくれる。