黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「あー、私の場合は少々、事情が違うというか」
そろそろ頃合いかとトングを握りかけたが、それよりも早く陽川さんが肉をひっくり返していく。
「違うというと?」
ほんの僅かだが彼の声のトーンが下がり、正直に告白すべきか悩んだ。
こんな理由を話したら呆れられるかもしれない。
けれど嘘をついて自分を偽るのは、嫌だった。
「同僚に連れてこられたまでは一緒なんですが、私はその、……彼氏を作ろうと思って」
「……は?」
トングで肉を持ち上げ、笑顔のまま彼が固まる。
こんなの、あの場にいた女性たちとほぼ同じ理由だ。
背筋を伸ばし、両手を強く膝の上で握った。
軽蔑されてもいいから、彼には私の正直な気持ちを知ってほしい。
「少し前に彼氏と別れ、て。
それでちょうどいいからって、同僚が今日のパーティに誘ってくれたんです、が」
予想はついていても彼の反応が怖くて、声はつっかえつっかえになって出てくる。
陽川さんは焼けた肉を均等に私と彼のお皿に入れ、新たな肉を焼き始めた。
「そしたら元カレが……あ、元カレ、同期なんです。
地味な私に、彼氏なんてできっこない、って。
同僚も、私に興味を持つ男なんていない、って彼に同意、で」
そろそろ頃合いかとトングを握りかけたが、それよりも早く陽川さんが肉をひっくり返していく。
「違うというと?」
ほんの僅かだが彼の声のトーンが下がり、正直に告白すべきか悩んだ。
こんな理由を話したら呆れられるかもしれない。
けれど嘘をついて自分を偽るのは、嫌だった。
「同僚に連れてこられたまでは一緒なんですが、私はその、……彼氏を作ろうと思って」
「……は?」
トングで肉を持ち上げ、笑顔のまま彼が固まる。
こんなの、あの場にいた女性たちとほぼ同じ理由だ。
背筋を伸ばし、両手を強く膝の上で握った。
軽蔑されてもいいから、彼には私の正直な気持ちを知ってほしい。
「少し前に彼氏と別れ、て。
それでちょうどいいからって、同僚が今日のパーティに誘ってくれたんです、が」
予想はついていても彼の反応が怖くて、声はつっかえつっかえになって出てくる。
陽川さんは焼けた肉を均等に私と彼のお皿に入れ、新たな肉を焼き始めた。
「そしたら元カレが……あ、元カレ、同期なんです。
地味な私に、彼氏なんてできっこない、って。
同僚も、私に興味を持つ男なんていない、って彼に同意、で」