黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
あとはデザートという段階になって晴貴さんはお手洗いへ行った。
たぶん、支払いをしてくるんだと思う。
晴貴さんはそういうところがある。

「ねえ夏初ちゃん。
大丈夫なの?」

晴貴さんがいなくなった途端、母が深刻そうに聞いてきた。

「だから。
晴貴さんは鳥越くんと違ってちゃんとした人だから心配しないで」

どこまでも心配性な母に笑いかけたけれど。

「陽川さんがいい人なのはわかった。
でも、なにか困ったことになってるんじゃないの?」

隣で父が同じ気持ちだというふうに頷く。
両親は晴貴さんが私のお酒を止めた理由になんとなく気づいている。

「大丈夫だよ、晴貴さんがちゃんとやってくれてるから、心配しないで。
晴貴さんが支えてくれるから私、頑張れる」

きっと晴貴さんがいなかったら、とっくに潰れていた。
こうやって今日、元気に両親と食事ができているのも晴貴さんのおかげだと気づいた。

「よかった、今度はいい人とお付き合いしてるのね」

母の目には涙が光っていて、胸が切なくなった。

デザートが出てきたタイミングで晴貴さんが戻ってきた。

「美味しいわね、これ。
福岡でも売ってないかしら」
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