黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
ええ、社食はないとわかっていたのでお弁当作るかコンビニでおにぎり買って済ませようと思っていたのに、毎日のように外ランチに誘われてびくびくしていましたが?

「事務用品を買ったときは領収書を持ってきてねって言ったら、自腹じゃないんですか?って不思議そうにしてたんですよ?
横領してるんならこんなこと、聞くわけないじゃないですか」

はい、前の会社はボールペンはもちろん、テープやクリップ、クリアファイルも自分で買っていた。
会社で出してくれると聞いて驚きましたが?

みんな口々に庇ってくれるのは嬉しいが、エピソードがあまりにも恥ずかしくてだんだんいたたまれなくなってくる。

「もしかして横領した金を男にでも貢いでたんじゃないかと、悪いけど疑ったりもしたんですが、どー見ても陽川先生とラブラブだし。
ありえんな、と」

「疑ったんだ、酷い」

「ラブラブ、古い」

年配男性事務員の言葉にすかさずツッコミが入る。

「だから。
悪かったって。
だいたい、陽川先生が選んだ女性が横領とかするわけないもんな。
疑ったりしてすみませんでした!」

「あ、あの。
気にしてないので頭を上げてください!」

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