黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
彼女――篠木さんから話しかけられただけで発作を起こしかけている自分が情けない。
パーティションの向こうからは斉藤さんと篠木さんのやりとりが聞こえていた。
「だからー。
憲吾がいないから聞いてるんじゃない」
「憲吾じゃなくて憲吾先生」
不満げに篠木さんから抗議され、斉藤さんが不快そうに注意する。
「はいはい。
憲吾センセイいないからわかんないんですぅ。
帰ってくるまでにやっとけって言われたのにぃ」
わざとらしく語尾を伸ばして篠木さんに絡まれ、斉藤さんはとうとう大きなため息をついた。
「それは私が教えます。
憲吾先生の部屋へ行って」
「ええーっ。
夜桜がしてくれるって言ったのにー」
斉藤さんが文句たらたらの篠木さんを連れていってくれてほっと息をつく。
いつのまにか私が彼女の仕事を承知したことになっていて、驚いた。
「陽川先生、呼んできた」
「夏初!」
少しして戻ってきた栗下先生を押しのけるようにして、晴貴さんが私の前に立つ。
「もう大丈夫だ」
安心させるようにゆっくりと頬を撫でられ、ようやく身体の力が抜けた。
「僕の部屋に行こう」
パーティションの向こうからは斉藤さんと篠木さんのやりとりが聞こえていた。
「だからー。
憲吾がいないから聞いてるんじゃない」
「憲吾じゃなくて憲吾先生」
不満げに篠木さんから抗議され、斉藤さんが不快そうに注意する。
「はいはい。
憲吾センセイいないからわかんないんですぅ。
帰ってくるまでにやっとけって言われたのにぃ」
わざとらしく語尾を伸ばして篠木さんに絡まれ、斉藤さんはとうとう大きなため息をついた。
「それは私が教えます。
憲吾先生の部屋へ行って」
「ええーっ。
夜桜がしてくれるって言ったのにー」
斉藤さんが文句たらたらの篠木さんを連れていってくれてほっと息をつく。
いつのまにか私が彼女の仕事を承知したことになっていて、驚いた。
「陽川先生、呼んできた」
「夏初!」
少しして戻ってきた栗下先生を押しのけるようにして、晴貴さんが私の前に立つ。
「もう大丈夫だ」
安心させるようにゆっくりと頬を撫でられ、ようやく身体の力が抜けた。
「僕の部屋に行こう」