黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「憲吾先生にはこれ以上ないほど、深く反省してもらう。
絶対に許さないし、容赦などしない。
夏初は僕を止めるか」

じっと私を見つめる瞳は、こんな自分は嫌われるのではないかという恐怖と不安で揺れていた。

「そう、ですね」

ぎゅっと晴貴さんの手を握りしめる。

「晴貴さんが自分を罰するために憲吾先生を追い詰めるというのなら止めます」

図星だったのか、彼が短く息を飲むのがわかった。

「でも憲吾先生に私が味わった恐怖を理解してもらって反省してもらうためなら、止めはしません。
というかどんどんやっちゃってください」

彼の不安を晴らすようににっこりと笑いかける。
私に怖い思いをさせたからと晴貴さんが責任を感じて、憲吾先生に必要以上の重い罰を与える必要などない。
それにそうしたからといって晴貴さんの罪の意識が消えるわけじゃない。

「私は晴貴さんが本気で怒ってくれて嬉しかったです。
いつも私がピンチのときは駆けつけてくれるから安心できます。
晴貴さんには本当に感謝しています。
私、晴貴さんと付き合えてよかったなー」

< 210 / 252 >

この作品をシェア

pagetop