黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
出会いは下心ばかりのパーティだったが、あの日、元カレと篠木さんを見返すために参加したのは晴貴さんに出会うための運命だったのだと思う。

「僕も夏初の彼氏になれてよかった」

彼の顔が近づいてきて、軽く唇が重なる。

「次は夫になりたいけどね」

揶揄うように彼が、ふふっと小さく笑う。

「ぜ、善処します……」

あまりにも幸せそうなその顔に、頬が熱くなる思いがした。



それからしばらくはとりあえず平和に過ごした。
憲吾先生も篠木さんも事務所にいないのがいい。
いつ顔をあわせるのかとどきどきしながら仕事をしなくていいから楽だ。

「前の会社の件は向こうの出方待ち、ただいつでも訴訟できるように準備はしてる。
憲吾先生の件は警察の連絡待ちだね」

夜、お風呂に入ったあと、ふたりでだらだらしているときに晴貴さんが説明してくれる。

「わかりました」

前の会社の件も憲吾先生の件も晴貴さんに任せっぱなしでいいのかと思うが、私にできることはあまりない。

「しかし、明日から四日も夏初と離れるとか、耐えられない……」

本当に憂鬱そうにため息をつき、晴貴さんは後ろから私を抱きしめてきた。
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