黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「これはいったい、どなたたちなんでしょう……?
私、友人も親しく話す知人も少なくて、思い当たる方がいないのですが」

親しく話す友人や知人はこちらには例のインフル事件の友人たちしかおらず、大学を卒業してからはたまにしか連絡を取っていない。
なのにパーティに出てくれと頼むような知人がいるとは驚きだ。

「どなたもなにも、みんな君本人か、君の知人から誘われたと証言している」

「はぁ……?」

憲吾先生は自信満々に言い切ったが、質問の意図からズレている。

「夜桜さんは彼女たち、もしくは彼女たちを誘った人物に心当たりがないのですね?」

すぐに所長が私の質問を汲んでくださり、仕事のできる弁護士とは彼のような人物だと思った。
いや、これが普通で憲吾先生が例外なのかもしれない。

「はい、まったく心当たりがありません。
必要なら携帯の履歴を調べていただいてもかまいません。
あ、でも、少し前に解約して新しい携帯になったので、それ以前は無理かも……」

今になって携帯を解約したのが悔やまれる。
こんな事態になるのなら、残しておけばよかった。

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