黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
その写真はどこから手に入れたのか問いただしたいところだが、今の論点はそこではない。

「オヤジはそこの女と陽川に騙されてるんだよ。
横領もこの女がやったのに、ミチルに罪を着せようとしてるに違いない」

にやりと頬を歪め、憲吾先生が醜い笑みを浮かべる。

「そーでーす、私はやってないのに夜桜さんが。
おかげで会社も辞めなきゃいけなくなって、迷惑してまーす」

さらに篠木さんが同調してきた。
きつく噛みしめた奥歯がみしりと音を立てる。
私が疑われるのはまだ耐えられる。
けれど晴貴さんを貶めるのは許せない。

「まだ疑うっていうなら、これ」

憲吾先生が机の上に数枚の紙を投げ捨てる。
それを見て目の前が真っ白になった。

「ちょっと憲吾先生!」

怒りを露わにし、斉藤さんが投げ捨てられた紙を慌てて拾い集める。
それは私の顔をした人間の、卑猥な写真だった。

「こんな女雇ってるとか、事務所の信用問題じゃないのか。
この女を無実にしようとしている陽川だって、弁護士としてどうなんだよ」

憲吾先生と篠木さんは勝利を確信し、得意げだ。
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