黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
作られた画像だとは頭ではわかっているのだが、写っているのはどこからどう見ても自分自身に見えた。

「これは……」

所長も写真を見て声を詰まらせる。
こんなものを出されたらもう、違うと主張したところで信じにくくなる。
重い沈黙の中、ノックの音が響いた。

「はい」

一拍置いて我に返った所長が返事をする。

「陽川です。
入ってもよろしいでしょうか」

なんで、晴貴さんがここに?
まだ出張中のはずなのに。
彼が帰ってきてくれたと安堵するのと同時に、あの写真を彼に見られるのかと激しく動揺した。

「どうぞ」

「失礼します」

「陽川ー」

入ってきた晴貴さんに憲吾先生が写真を掴み、勢いよく詰め寄っていく。

「待って!」

あんな写真、彼に見られたくない。

あれが私だと、思われたくない。

彼に嫌われるのが――怖い。

必死に手を伸ばし、憲吾先生から奪おうとする。
けれどあと一歩のところで晴貴さんの手に渡ってしまった。

「オマエの女、とんだ淫乱だな。
もしかしてわかってて付き合ってたのか」

受け取った写真を見つめたまま晴貴さんはなにも言わない。
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