黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「で、でまかせだ!
だいたいこの件、昨日オヤジに話すまで秘密にしてたんだし、オマエが知ってるのがおかしい!」

こんな状態でもまだどうにかしようと足掻く憲吾先生に、晴貴さんは呆れるようにため息をついた。

「篠木さんを夏初に対する名誉毀損で訴えるにあたり、裏取りしていく過程で芋づる式に出てきたんですよ。
偽証は罪になると告げると皆さん、真っ青になっていらっしゃいましたね」

焦った様子で憲吾先生が携帯を操作し、耳に当てる。

「おい、オレだ。
……は?
証言を取り下げるってどういう意味だよ?
もう関わらないでくれ?
おい、……おいっ!」

相手は証言をしたひとりのようだが、様子がおかしい。

「まだ続けますか」

冷ややかな視線を晴貴さんが彼に向ける。

「この画像はAIを使って生成したのでしょう。
最近はAIによるディープフェイクが問題になっていて、相談も少なからずありますし」

見るに堪えない画像だが、それでも改めて目を落とす。
作られたものと言われても信じられなかった。
私でも自分だと誤認するくらい、よくできている。

「あなたは夏初を辱め、これ以上ないほど名誉を傷つけた。
これがどれだけの罪かわかりますか」

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