黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
両親は晴貴さんが私のお酒を止めた理由になんとなく気づいている。

「大丈夫だよ、晴貴さんがちゃんとやってくれてるから、心配しないで。
晴貴さんが支えてくれるから私、頑張れる」

きっと晴貴さんがいなかったら、とっくに潰れていた。
こうやって今日、元気に両親と食事ができているのも晴貴さんのおかげだと気づいた。

「よかった、今度はいい人とお付き合いしてるのね」

母の目には涙が光っていて、胸が切なくなった。

デザートが出てきたタイミングで晴貴さんが戻ってきた。

「美味しいわね、これ。
福岡でも売ってないかしら」

母は黒豆のブラマンジェをつつきながらご機嫌だ。

「お取り寄せもできるみたいなので今度、お送りしましょうか」

「本当に?
嬉しいわ」

晴貴さんの提案に喜んでいる母の声からは棘が抜けていた。
先ほどの私の言葉でようやく、安心したようだ。

デザートを食べ終わってゆっくりお茶を飲んでいたら、急に晴貴さんが改まって何事かと思う。

「その。
最後になってこんなことを言うのもなんだとは思うのですが。
夏初さんとは結婚を前提にお付き合いさせていただけたらと思っております。
よろしくお願いいたします」

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