黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
彼氏を作りに行ったなんて、あの場にいた女性たちとほぼ同じ理由だ、軽蔑されるのもわかっている。

背筋を伸ばし、両手を強く膝の上で握った。
軽蔑されてもいいから、彼には私の正直な気持ちを知ってほしい。

「少し前に彼氏と別れ、て。
それでちょうどいいからって、同僚が今日のパーティに誘ってくれたんです、が」

予想はついていても彼の反応が怖くて、声はつっかえつっかえになって出てくる。
陽川さんは焼けた肉を均等に私と彼のお皿に入れ、新たな肉を焼き始めた。

「そしたら元カレが……あ、元カレ、同じ会社の、同期なんです。
地味な私に、彼氏なんてできっこない、って。
同僚も、私に興味を持つ男なんていない、って彼に同意、で」

じゅうじゅうと肉の焼ける音だけが響き、白い煙が私と陽川さんを分かつ。
白いカーテンの向こう、彼がどんな顔をして私を見ているのかわからない。

「それで、売り言葉に買い言葉じゃないです、が、素敵な彼氏作って、見返してやる、って、あのパーティに参加しました」

全部話し終え、詰めていた息を長く吐き出す。

「……最低ですね」

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