黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
晴貴となら本当に、世界にふたりきりになってもかまわない。



その後、憲吾先生は起訴された。
しかもついているのがあの、お手本になりそうなほど最悪な和解提案書を書いた弁護士となれば、実刑は免れないだろうと言われている。

篠木さんと私の裁判はこちらの主張が認められ、慰謝料の支払いが命じられた。
篠木さんは控訴したものの、棄却される。
この結果を受けて彼女と前の会社との裁判は混乱しているらしい。

前の会社との裁判も未払い残業代と慰謝料の支払いが命じられた。
会社としては謎の強気でまだ戦う気だったみたいだが、弁護士が勝てないと判断して降り、断念したようだ。

『いやー、陽川先生の冷静な追求に相手弁護士、ビビり散らかしてましたよ』

……と、傍聴に行っていた栗下先生が言っていた。



ウェディングドレス姿の私を見て晴貴が、誰にも見せたくないから式はキャンセルでとか言い出したがなんとか無事に終わり、――数年後。

「なあ。
桜光(おうひ)の膝、どうしたんだ?」

晴貴さんの視線の先、三歳になる娘の、桜光の膝には大きな絆創膏が貼られていた。

「あー……」

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