黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
どうしてか、初めて彼氏ができたときのように妙にくすぐったい気持ちになった。
けれどそれが、心地いい。

二十分ほどで着いたのは、お洒落なレジデンスだった。

「どうぞ」

「おじゃまします……」

案内された部屋にそろりと上がる。
リビングは広めで、黒とシルバーを中心にシンプルに揃えてあった。

「適当に座っていてください。
あ、それとも先にシャワー、使われますか?」

「そう、ですね。
先にシャワー、いいですか」

「はい」

案内されたお風呂場で服を脱ぎかけたところで突然、戸が開いて慌てた。

「服。
普通に洗濯していいのでしたら、洗濯機の上に置いておいてください。
ダメなのは消臭スプレー、しますので」

スプレーをするように手を動かし、陽川さんはドアを閉めた。

「洗ってくれるんだ」

視線の先には立派なドラム式洗濯機が設置してある。
きっと乾燥までやってくれるのだろう、ありがたい。

浴室で入念に身体を洗う。
身体を拭いて借りたスエットのパジャマを着たが。

「……大きい」

背の高い彼の服は、小柄な私には大きすぎた。
< 28 / 287 >

この作品をシェア

pagetop