黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
気づいたら、陽川さんの腕の中にいた。

「元カレという男はあなたに、そんな酷い言葉を投げつけたんですか」

彼の腕にぎゅっと力が入り、痛い。

「あなたは悪くありません。
つまらなかったのはその男が下手で、夏初さんを身も心も気持ちよくできなかったからです。
自業自得ですよ」

はっと短く、彼が吐き捨てる。

「でも……」

本当に彼の言うとおりなんだろうか。
いや、やはり私の努力が足りなかったのでは。
とりとめもなく考えが頭の中をぐるぐると回る。

「だったら僕と、試してみませんか」

身体を離し、彼はレンズ越しに私をじっと見つめた。
その目はどこにもふざけた様子などなく、真剣に私を案じてくれている。

……この人とだったら、あんな惨めな思いはしないでいいかもしれない。

彼の目を見ているとそんな気持ちが湧き上がってくる。

「……試して、みます」

それでも私の口から出た声は掠れ、ビブラートがかかっていた。

「大丈夫ですよ、安心して僕に身を任せてください」

再び彼が、私を抱きしめる。
その温かい腕に僅かだが気持ちが緩んだ。

寝室へ行き、ベッドに押し倒される。

「夏初さん」

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