黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
私に覆い被さり、陽川さんは大切なものかのようにそっと頬に触れた。

「嫌だったら言ってください。
無理をする必要はありません」

眼鏡の向こうで目尻を下げ、彼が優しげに微笑む。

「……はい」

目を閉じ、誘うように少しだけ唇を尖らせた。
すぐに彼の唇が重なり、何度も小さく啄まれた。

「んん……」

たったそれだけなのに身体の熱は上がっていき、私の口から悩ましげな声が漏れる。
そのタイミングで彼がぬるりと入ってきた。

……なにこれ。
頭が、ふわふわする……。

ガツガツと一方的に蹂躙されるキスしか知らない私にとって、気持ちにあわせて求めてくれる陽川さんとの口づけは未知の体験だった。
気持ちよく心が、蕩けていく。
だんだんと彼のことしか考えられなくなっていく。

「はぁーっ……」

長い口づけのあと、余韻をたっぷり残して彼が離れた。
唾液で光る唇を見せつけるようにゆっくりと舐め、顔を近づけてくる。

「……ね。
キスだけで全然、違うでしょう?」

「はい……」

耳もとで囁かれ、夢見心地で同意の返事をしていた。

そのあとも陽川さんは私を大事に扱った。

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