黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
……気になる広告でもあるのかな。

視線に気づいたのか彼がにこっと僅かに笑う。
駅に着き、後ろに立っていた人がどこか慌てた様子で降りていったように思えたのは、気のせいだろうか。

乗り換えの駅で陽川さんとは別れた。

「また、連絡します。
お仕事、頑張って」

「はい。
陽川さんも」

きょろきょろとあたりを見渡し、彼が素早くちゅっと私の額に口づけを落とす。

「じゃあ」

「あっ、はい」

陽川さんに見送られ、熱い顔で階段を下りた。



「うまいことやったわね、夜桜」

お昼休み、社食でうどんを啜っていたら篠木さんが目の前に座った。

「まさか、あんなイケメン捕まえるとは思わなかったわ」

「はぁ……」

彼女が大きな口を開けて今日の日替わり、焼き肉定食を食べる。
今日はうどんを選んだのは、昨晩が焼き肉だったのもある。
もっとも、社食の焼き肉は牛バラを炒めた肉少なめの野菜炒めだが。

「私はハズレだったのよー。
あっちのほうもイマイチだし、ホテルの部屋も普通だったし」

残念そうに彼女が、ため息をつく。

「夜桜はどうだったのよ?
あのイケメン」

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