黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「気持ちよさそうに眠っているのに起こすなんて可哀想なこと、できませんよ」

それはそうな気もするが、だからといって三十分も私の寝顔を眺めていて飽きないのだろうか。

「その……」

「起きたんなら出勤前にモーニング、食べに行きませんか。
近くに美味しいパン屋があって、買ったパンを隣のカフェで食べられるんです」

私の疑問を遮り、彼が提案してくる。

……ま、いっか。

別に寝顔を長時間眺められていたからとなにかあるわけでもないし、彼がいいならかまわない。
それよりもあんな時間に焼き肉を食べたというのにお腹が空いていた。

「それは楽しみです」

大きく伸びをし、彼と一緒にベッドを出た。

身支度をし、陽川さんオススメのお店でパンを買い、隣のイートインカフェで食べる。

「美味しい……!」

もともとドライフルーツが詰まったハード系のパンが好きなのだが、ここのイチジクとクリームチーズのパンはもっちりしているうえに具材がたくさん入っていて食べ応えがある。

「喜んでもらえたならよかったです」

コーヒーを口に運ぶ彼に、うんうんと勢いよく何度も頷いた。
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