黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
陽川さんも帰ってきたので、改めて自己紹介しながらゆっくりと食べる。
所属しているのは大手事務所でアメリカのロースクールに留学して資格も取り、向こうの事務所での勤務経験もあり。
凄い人なんだって感じで私には想像がおよばない世界だ。
「え、夏初さんの勤め先ってあの会社なんですか」
私の勤務先を聞き、陽川さんが驚いた声を上げる。
「そうですけど……」
うちの会社はよくも悪くも話題になるようなことなどなにもないので、彼が驚いているのがわからない。
「もしかしてとても苦労されているんじゃないですか」
「えっと……?」
彼が気の毒そうに私をうかがう。
「まあ、同期には恵まれていませんが……?」
元カレが同期で、あのパーティに私を連れていったのも同僚だという話はした。
きっと、それだと思ったが。
「あー、守秘義務があるので詳しくは言えませんが、その」
曖昧な笑顔で彼が言葉を濁し、ぴんときた。
入社して間もない頃、会社は元社員に残業代のことで訴えられた。
毎日朝、始業時間より三十分早く来て準備をする慣例なのだが、その三十分の残業代を争ってだった。
所属しているのは大手事務所でアメリカのロースクールに留学して資格も取り、向こうの事務所での勤務経験もあり。
凄い人なんだって感じで私には想像がおよばない世界だ。
「え、夏初さんの勤め先ってあの会社なんですか」
私の勤務先を聞き、陽川さんが驚いた声を上げる。
「そうですけど……」
うちの会社はよくも悪くも話題になるようなことなどなにもないので、彼が驚いているのがわからない。
「もしかしてとても苦労されているんじゃないですか」
「えっと……?」
彼が気の毒そうに私をうかがう。
「まあ、同期には恵まれていませんが……?」
元カレが同期で、あのパーティに私を連れていったのも同僚だという話はした。
きっと、それだと思ったが。
「あー、守秘義務があるので詳しくは言えませんが、その」
曖昧な笑顔で彼が言葉を濁し、ぴんときた。
入社して間もない頃、会社は元社員に残業代のことで訴えられた。
毎日朝、始業時間より三十分早く来て準備をする慣例なのだが、その三十分の残業代を争ってだった。