黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
眼鏡の向こうで目尻を下げて彼が眩しそうに笑った瞬間、頭がぼっ!と爆発した気がした。

「ふふっ。
夏初さん、イチゴみたいに真っ赤っかですよ」

おかしそうに彼は笑っているが、誰のせいだと思っているんだ。

支払いは陽川さんがしてくれたが、罪悪感を抱いてしまう。

「ごちそうさまでした」

「いえ。
夏初さんが美味しそうに食べている顔が見られたので、プライスレスです。
こちらこそ、ごちそうさまでした」

なんだかわからないが彼が喜んでいるならいい……のか?

「少し歩きましょうか」

さりげなく私の手を取り、彼が歩き出す。
少し行った先にドレスショップが見え、陽川さんは足を止めた。

「夏初さんは和装派です?
ドレス派です?」

「はい?」

なにを言われているのかわからず、隣に立つ陽川さんを見上げる。
彼の視線は真っ直ぐにショーウィンドウの中へと向いていた。

「ウエディングドレス姿の夏初さん、絶対きれいだと思うんですよね。
でも、白無垢姿の夏初さんの捨てがたい……」

彼は真剣に悩んでいるが、私たちは昨日、付き合い始めたばかりなのだ。

「気が早いです」

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