黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
けれど鳥越くんはかなり酔っているのか、へらへらと笑っていた。

「いや、物好きもいるんだなって。
コイツ、つまんないでしょ?
抱いても反応薄いし」

おかしくもないのに彼が大仰なくらいに声を上げて笑う。
心が、パキパキと音を立てて割れていく。
足もとがおぼつかなくて、陽川さんの腕を掴んでいた。

「あ。
それともまだ、抱いてない?
コイツもー、最悪ですよ。
反対に萎えるっつーか。
だからアンタも、さっさと別れたほうがいいですよ」

強く奥歯を噛みしめて俯く。
夜だからではなく目の前が、暗い。

「ああ。
あなたが下手な元カレですか」

「……あ?」

陽川さんの問いで鳥越くんが固まった。

「今、なんつーた?」

じろりと彼が陽川さんを睨み上げる。
けれど陽川さんは真顔で効いていない。

「だってそうでしょう?
昨晩、夏初さんは僕の腕の中で何度も可愛い声を聞かせてくれましたが」

離れたところにいる女性たちが、「下手なんだ」と話しているのが微かに聞こえ、鳥越くんはみるみる顔を赤く染めていった。

「オマエ!
オレのときはあんな無反応だったくせに!」

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