黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
一歩足を踏み出し、鳥越くんが掴みかかってきて目を閉じていた。

「……傷害」

冷たい声が聞こえてきて目を開ける。
そこでは陽川さんが鳥越くんを阻んでいた。

「侮辱」

「な、なにを言ってる?」

自分は怒りを露わにしているというのに陽川さんは淡々としていて、鳥越くんは動揺している。

「あなたの罪状です。
訴えられたらいったいいくら、支払わないといけなくなりますかね?」

今度は先輩も女性たちと一緒になり「訴えられるみたいだぞ」と、完全に軽蔑していた。

「オレは悪くない。
事実を告げただけ、で」

「申し遅れました。
わたくし、弁護士をしております」

名刺入れを取り出し、一枚引き抜いて陽川さんが鳥越くんの胸ポケットに差し込む。

「後日、連絡を差し上げますので詳しい話はそのときに」

完全に魂の抜けた顔で、鳥越くんは突っ立っていた。

「行きましょう、夏初さん」

そっと背中を押し、陽川さんが促す。
気づけば関わるのはマズいと思ったのか、先輩も女性たちもいなくなっている。
足を踏み出しかけて陽川さんは、鳥越くんを振り返った。

「今の彼氏は私です。
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