黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「夏初さんは和装派です?
ドレス派です?」

「はい?」

なにを言われているのかわからず、隣に立つ陽川さんを見上げる。
彼の視線は真っ直ぐにショーウィンドウの中へと向いていた。

「ウエディングドレス姿の夏初さん、絶対きれいだと思うんですよね。
でも、白無垢姿の夏初さんの捨てがたい……」

彼は真剣に悩んでいるが、私たちは昨日、付き合い始めたばかりなのだ。

「気が早いです」

「そうですか?
僕は近い将来、夏初さんがこのドレスを着て僕の隣に立ってくれると確信しています」

私の顔をのぞき込んだ、彼の口角が持ち上がる。

「……まだ、わからないです」

その美しい笑顔に耐えられなくなって、熱い顔で俯いた。

再び歩き出そうとしたところで、前から来た一団とぶつかりそうになる。

「夏初さん」

「夏初じゃないか」

庇うように陽川さんが私を抱き寄せたところで、相手が私の名を呼んだ。

「鳥越、くん」

こんなところで彼に会うなんて思わなかった。

「鳥越ー、先に行くけど」

声をかけてきたのは会社の先輩で、さらに女性もふたりほどいて合コンの帰りらしい。

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