黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「今、なんつーた?」

じろりと彼が陽川さんを睨み上げる。
けれど陽川さんは真顔で効いていない。

「だってそうでしょう?
昨晩、夏初さんは僕の腕の中で何度も可愛い声を聞かせてくれましたが」

離れたところにいる女性たちが、「下手なんだって」
「下手なんだ」
と話しているのが微かに聞こえ、鳥越くんはみるみる顔を赤く染めていった。

「オマエ!
オレのときはあんなマグロだったくせに!」

一歩足を踏み出し、鳥越くんが掴みかかってきて目を閉じていた。

「……傷害」

冷たい声が聞こえてきて目を開ける。
そこでは陽川さんが鳥越くんを阻んでいた。

「侮辱。
……ああ。
DVもありますね」

「な、なにを言ってる?」

自分は怒りを露わにしているというのに陽川さんは淡々としていて、鳥越くんは動揺している。

「あなたの罪状です。
訴えられたらいったいいくら、支払わないといけなくなりますかね?」

今度は先輩も女性たちと一緒になり「訴えられるみたいだぞ」
と、完全に軽蔑していた。

「オレは悪くない。
事実を告げただけ、で」

「申し遅れました。
わたくし、弁護士をしております」

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