黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
紙袋――メロンパンをにこにこ笑いながら陽川さんに渡され、曖昧な笑顔で受け取った。

「えっと……」

眼鏡の向こうから期待に満ちたキラキラした目が私を見ている。

「……いただきます」

圧に押され、メロンパンに噛みついた。
いや、別に食べたくなかったわけではなく、むしろ名物であるメロンパンを買う気満々だった。
しかしこう、問答無用で買われたのがちょっと引っかかるというか。

「ん、美味しいです!」

ひとくち食べたメロンパンはクッキー生地がさっくりで、口の中にメロンの香りが広がり最高だ。

「ほんとだ、美味しいですね」

さきほど心の中で文句を言っていたのなんて忘れて、ご機嫌で食べる。
うん、食べ物を無駄にするとかできないもんね。
……と、自分に言い訳した。

メロンパンを食べ終わり、買っておいてくれたコーヒーを飲む。
本当に至れり尽くせりだ。

車に戻るのかと思ったら、少し見て回らないかと誘われて同意した。

「甘いものを食べたあとって、しょっぱいものを食べたくなりませんか」

陽川さんの視線の先には珍しい、鯵の唐揚げ屋がある。
確かに気になるけれど、大丈夫だろうか。

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