黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
けれど身はふわふわで、マヨネーズの味がよくあう。

「えっと……。
スパダリすぎると困るんですか」

私の隣で鯵の唐揚げを食べながら陽川さんが困惑気味に聞いてくる。

「はい、困ります。
だってなにからなにまでしてくれるから、私の出番がなくなっちゃいますもん」

出会ってからずっと彼からしてもらってばかりだが、私だって彼のためになにかしたい。
けれど鯵の唐揚げすら買わせてもらえないなんて、不満だ。

「ふふっ。
ふふふっ」

隣から笑い声が聞こえてきて見上げる。
陽川さんはまたおかしそうに笑っていた。
もう、本日の定番と言っていいと思う。

「夏初さんは本当に面白いですね」

なぜか彼は嬉しそうで、理解に苦しむ。

「わかりました、次は夏初さんに買ってもらいます。
で、次はなに食べます?
しょっぱいものを食べたのでソフトクリームとかいかがですか」

眩しそうに目を細め、彼は私の口端についていたカスを払った。

「そうで……」

耐えられなくなって熱い顔で目を逸らす。
けれどそこまで言って、止まった。

……〝次〟とはまだ食べる宣言と一緒だったのでは?

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