黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「あの。
今日はうちに泊まるんです?」

もうそうとしか思えなくて、必死に変なものを放置していなかったか頭の中で部屋を確認した。

「え?
今日は帰りますよ」

さぞ意外そうに言われたが、なんで?

「明日」

きゅっと彼が指を絡めて私の手を握る。

「明日、休みですから一緒に買い物に行きませんか。
それでパジャマとか夏初さんのカップとか、お泊まりに必要なものを買いましょう。
どうです?」

「えっ、あっ、そぅですね」

そんな展開は考えていなくて、びっくりして声が裏返った。

「ふふ。
楽しみだなー」

本当に陽川さんの声は楽しそうで、私も楽しみになる。

住んでいるマンションの前でタクシーを降りた。

「少し待っていてください」

運転手に告げ、陽川さんは中にまでついてきた。

「別に部屋まで送ってくれなくてもいいですよ」

「いえ。
オートロックがあっても危ないですからね。
部屋までお送りしますよ」

一緒にエレベーターに乗り込んだ彼は私を奥にやり、自分は扉の前に立った。
その後ろ姿をじっと見つめる。

……なんか、大型の忠犬に守られているみたい。
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