黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
陽川さんはさも当たり前といった感じで、彼の私生活が垣間見えた気がした。

さっそく、お店を見て回る。

「あっ、あのお店あるんだ!
陽川さん。
あそこでパジャマ、見ませんか?」

いつもお世話になっている、お手頃価格の雑貨店を見つけ彼の手を引っ張る。

「パジャマ、オススメのお店があるんです」

けれど反対に彼のほうから引っ張られ、少し歩いてインナーウェアの店に入った。

「えっと……」

こんな店に男性とふたりで入るのはなんか、気まずい。

「どうかしたんですか」

少し熱を持つ顔で私がもじもじしていて彼は怪訝そうだ。

「ああ。
ここはパジャマの取り扱いが豊富なんです」

陽川さんが私を案内したコーナーには、普通では見ないほどたくさんの種類のパジャマが並んでいた。

「ここのパジャマはとても上質で、僕も愛用しています」

「へー」

「これは夏初さんの好みもあるので、よろしかったらですが」

物珍しそうに見ていたら話しかけられ、振り返った。

「……パジャマ、おそろいにしませんか」

鼻梁を撫でるようにして陽川さんが眼鏡のブリッジを押し上げる。
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