黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
陽川さんを見上げ、かろうじてそれだけを絞り出した。

「わかりました」

ピンクのパジャマをラックに戻し、彼が今度こそ会計に向かう。
ひとりになってその場にへたり込みそうになったが、かろうじて耐えた。

「……陽川さんって」

いろんな意味でリアルスパダリすぎて、私のほうが困る。

その後、化粧品とマグカップなどを買った。
化粧品もマグカップもなんかうまく誘導されて陽川さんの希望のものを買わされた気がするが、弁護士さんだからそういうのがうまいんだろうか。

少し遅い昼食を摂ったあと、買い物は続行だった。

「最近、仕事が忙しくて買い物なんてしてないんですよ。
おかげでろくな私服がなくて。
今日だってどうしたらいいか頭を悩ませたくらいです」

歩きながら腕を組み、うんうんと彼は頷いているが、別にそんなに困るほどではないと思う。

黒のスキニーにVネックの白Tシャツ、その上に黒のスエットジャケットとシンプルな装いながら彼のスタイルのよさを引き立てていた。
しかも黒革のスリッポンを素足履きはオシャレ上級者だ。

「夏初さんも見たいお店があったら遠慮なく言ってくださいね」

< 63 / 252 >

この作品をシェア

pagetop