黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「あー、そう、です、……ね。
……ふっ。
ふふふっ、ふふっ。
夏初さんは可愛いなー」

「……なんで笑うんですか」

また彼がおかしそうに笑いだし、バカにされた気がして唇を尖らせた。

「あ、いえ、怒らないでください。
僕が知っている女性とは反応が全然違うのが新鮮で。
すみません」

「はぁ……?」

陽川さんは申し訳なさそうに謝ってきたが、今までどんな女性と付き合ってきたのだろう?
知りたいような……知りたくないような。

そうこうしているうちに大きなサービスエリアに着いた。

「ここはメロンパンが有名なんですよ」

トイレを出て落ちあった陽川さんの両手にはすでに紙袋がひとつずつ握られている。

「はぁ……」

紙袋――メロンパンをにこにこ笑いながら陽川さんに渡され、曖昧な笑顔で受け取った。

「えっと……」

眼鏡の向こうから期待に満ちたキラキラした目が私を見ている。

「……いただきます」

圧に押され、メロンパンに噛みついた。
いや、別に食べたくなかったわけではなく、むしろ名物であるメロンパンを買う気満々だった。
しかしこう、問答無用で買われたのがちょっと引っかかるというか。
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