黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
私の前ではどこからどう見ても人懐っこい大きな犬だが、出会ったときに私から鹿野谷さんを引き離そうとしたときや鳥越くんと対峙したときは恐ろしく冷たい顔だった。
時と場合によって使い分けるのは珍しくないが、どっちが本当に陽川さんなのかは、気になった。
「明日はなにか、予定はありますか」
車に戻り、シートベルトを締めたところで陽川さんに尋ねられる。
「いえ、ないですが?」
昨日、お泊まりに必要なものを買いに行こうと言われたので当然、今日は彼の家に泊まるのだろうと予定は入れていない。
もっとも、私の休日なんて家事をこなしてだらだらサブスクでドラマを観るくらいしかないが。
「よかった」
ほっとしたように胸を押さえ、彼が車を出す。
すぐに来た道ではなく別のルートへ乗った。
「実は近くの温泉の旅館を取ってあるんです。
今日は泊まって帰りませんか」
「え?」
まさか、お泊まりが旅館になるなんて思っていない。
「でも……」
今日はいろいろ買ってもらったし、そのうえ宿泊費までなんて申し訳なさすぎる。
私の分は自分で支払うにしても、今月の生活費を考えると意識が飛びそうになった。
時と場合によって使い分けるのは珍しくないが、どっちが本当に陽川さんなのかは、気になった。
「明日はなにか、予定はありますか」
車に戻り、シートベルトを締めたところで陽川さんに尋ねられる。
「いえ、ないですが?」
昨日、お泊まりに必要なものを買いに行こうと言われたので当然、今日は彼の家に泊まるのだろうと予定は入れていない。
もっとも、私の休日なんて家事をこなしてだらだらサブスクでドラマを観るくらいしかないが。
「よかった」
ほっとしたように胸を押さえ、彼が車を出す。
すぐに来た道ではなく別のルートへ乗った。
「実は近くの温泉の旅館を取ってあるんです。
今日は泊まって帰りませんか」
「え?」
まさか、お泊まりが旅館になるなんて思っていない。
「でも……」
今日はいろいろ買ってもらったし、そのうえ宿泊費までなんて申し訳なさすぎる。
私の分は自分で支払うにしても、今月の生活費を考えると意識が飛びそうになった。