黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
言葉は裏返り、ぎこちなくなった。
「どれがいいですか」
「そうですね……」
熱を持つ顔に気づかれたくなくて、パジャマを選んでいるフリをして少し俯く。
どきどきと心臓の音がうるさい。
「これとか、どうですか」
不意に後ろから手が出てきて、棒立ちになっていた。
密着するほど近くに、陽川さんが立っている。
この騒がしい胸の鼓動が彼に伝わるのではないかと心配になった。
「……夏初さん」
甘い重低音が私の鼓膜を揺らす。
ふわりと爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、深い樹木の残り香がした。
「そういう可愛い顔をされると、とても困るんですが」
ちっとも困ってなどいない様子で揶揄うように言い、彼は耳にちゅっと口づけをして離れた。
「えっ、あっ」
燃えるように熱い耳を押さえ、彼を振り返る。
「パジャマ、これでいいですか。
僕が紺で夏初さんはピンクかな」
「……待って」
サテンのパジャマを二枚掴み、会計へ向かおうとした彼の腕を掴んで止める。
「私も、紺で」
陽川さんを見上げ、かろうじてそれだけを絞り出した。
「わかりました」
「どれがいいですか」
「そうですね……」
熱を持つ顔に気づかれたくなくて、パジャマを選んでいるフリをして少し俯く。
どきどきと心臓の音がうるさい。
「これとか、どうですか」
不意に後ろから手が出てきて、棒立ちになっていた。
密着するほど近くに、陽川さんが立っている。
この騒がしい胸の鼓動が彼に伝わるのではないかと心配になった。
「……夏初さん」
甘い重低音が私の鼓膜を揺らす。
ふわりと爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、深い樹木の残り香がした。
「そういう可愛い顔をされると、とても困るんですが」
ちっとも困ってなどいない様子で揶揄うように言い、彼は耳にちゅっと口づけをして離れた。
「えっ、あっ」
燃えるように熱い耳を押さえ、彼を振り返る。
「パジャマ、これでいいですか。
僕が紺で夏初さんはピンクかな」
「……待って」
サテンのパジャマを二枚掴み、会計へ向かおうとした彼の腕を掴んで止める。
「私も、紺で」
陽川さんを見上げ、かろうじてそれだけを絞り出した。
「わかりました」