黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
目尻を下げて彼は柔らかく微笑んだが、そこにはそこはかとなく男の欲が滲んでいた。

「……はい」

もそもそと身体を動かし、私があけた場所に彼が滑り込んでくる。

「ふふっ、そんなに怒らないでください。
夏初さんの反応が可愛いのでつい、揶揄いたくなります」

ちゅっと彼は軽く唇を重ねてきたが、これくらいで許したり……する、けど。

「こんなに可愛い夏初さんが僕のものなんて、幸せでどうにかなりそうです」

彼が私に覆い被さり、唇が深く交わる。
すぐにぬるりと彼の舌が入ってきた。
くちゅり、くちゅりと淫靡な水音が静かな室内に響き、体温を上げていく。

「はぁーっ……」

唇が離れ、遠ざかっていく彼を名残惜しく見つめた。

「キスだけでこんなに物欲しそうな顔をして、本当に可愛い」

「ん」

陽川さんの唇が額に触れるだけで甘い声が漏れた。

「誕生日のお祝いですからね。
今日はたくさん、夏初さんを気持ちよくしてあげますよ。
僕にいっぱい、夏初の可愛い声を聞かせて……」

そのまま――

「あっ、あっ、ああーっ!」

「くぅっ!」

私が悲鳴を上げるのと同時に彼も苦しそうに声を漏らす。

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