黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
そういう心遣いが、嬉しかった。

「でも晴貴さん、お仕事はいいんですか」

そういえば半休を取ったと言っていた。
私のためにそんなことをさせて、申し訳ない。

「大丈夫、今日は裁判もなにもないからな」

足を組んで椅子に背を預け、彼がコーヒーを飲む。
それがスーツ姿と相まって酷く絵になっていて、熱い顔で目を逸らした。

「そう、ですか。
ありがとうございます」

「うん。
所長が面接は落ち着いてからでいいって言っていたよ」

「えっ、そんな!
全然そちらの都合でかまいませんので!
というか、早く就職が決まらないと落ち着かないというか……」

情けなく笑って語尾を濁す。
今日から無職なので、もうすでに今月の家賃は払えるかどうかとか頭の中はいっぱいだ。

「お金の心配をしているのか」

尋ねられてうんうんと勢いよく頷いていた。
そんな私を見て晴貴さんがはぁーっと大きなため息をつく。

「夏初の面倒は僕がみるから心配しなくていい」

「でも、結婚しているわけでもないですし……」

いくら彼がかなり稼いでいても、ただの恋人ごときが養ってもらうわけにはいかない。

「じゃあ、僕と結婚する?」

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