復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
彼は私を射抜くように見ると、ふっと笑った。

「そういう事にも慣れているのか」

面白いという表情。私はその顔を冷たい目で見ていた。

週末のパーティーは、思った通りの賑わいだった。

だが予想外だったのは、彼が御曹司の中でも違和感なくおしゃべりを楽しんでいたことだ。

御曹司達は、大抵同じ学校だったりする。

子供の頃からの顔見知りが多いから、知らない顔には目を向かないと思っていたのに。

さすがが、今をときめく神城明哉だ。

「今日は随分、めかしこんでいるな」

おしゃべりを楽しんでいた彼が、私の元へ戻って来た。

「これでも大人しい方ですよ」

私は周囲を見渡す。

御曹司には社長令嬢がつきものだ。

彼女達は一流企業の御曹司を捕まえようと、ドレスに近い服を着て来る。

かくいう私も、父に連れられて来た時はそうだった。
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