復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
しかも、神城明哉はそんな彼女を見送ることもない。

お互い、ドライな関係。そう見受けられた。

「笑奈様とは、いつもあのような距離感なんですか?」

私はデスク戻ろうとした。

その瞬間、彼に手首を捕まえられた。

「いや。時間がある時は、多少会話はしている」

「そうですか。今日は余程忙しかったのですね」

笑顔を見せると、彼は私の手を両手で握って来た。

「笑奈と何を話していた?」

「特別な事は話してしません」

彼が私をじーっと見つめる。

その瞳は、私を包み込むようなものだった。

「……パーティーの夜、一夜を共にする秘書もいるけれど、本当なのかと聞かれました」

「それで?」

「……私には分かりませんとお伝えしました」

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