復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
私はエレベーターに乗ると、壁に背中を付けた。

渡辺コーポレーション。

IT企業を代表する一流企業。

その業績は、業界のトップ3を担う程だ。

そして婚約者、笑奈はその社長令嬢。

だが神城明哉は、その笑奈との結婚を義務に思っている。

「なんて、面白いのかしら」

ただこの会社を崩すぐらいなら、簡単にできる。

この会社には、社長への不満が渦巻いている。

それを利用すれば、潰すのなんて簡単。

だけど、それだけじゃ物足りない。

「そうよ。あいつは、私から父を奪ったのよ」

エレベーターの扉が開く。

社長室のドアを開けると、神城明哉が椅子に座っていた。

「遅いぞ。稟議書を届けるだけで、どのくらいかかっているんだ」

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