復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
それから全てのフロアを回り終わった後、社長室に戻ると先ほどの副社長がいた。

「お疲れ様です」

「お疲れさん。そう言えば、名前聞いてなかったな」

私はニコッと笑うと、バッグから一枚の履歴書を取り出した。

「一条詩織と申します。年齢は27歳。独身です」

そしてスッと社長の目の前に差し出した。

「もしかして、え?名前も知らずに雇ったのか?」

「そういうこともあるだろう」

彼は私の履歴書をろくに見えずに、引き出しの中に入れた。

「大丈夫なのかよ」

神副社長が、心配そうに言う。

「彼女、俺のインタビューの記事を読んでいる」

私はごくんと息を飲んだ。

この時の為に、昨日の夜ずっと彼の記事を読み漁った。
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