黒魔術の使い手ですが何か?! 〜死に戻り王太子妃は今世ではもふもふ精霊と一緒に楽しく暮らしたい
「皆さまおそろいで」
ミシェルがやってきた。彼は未だ独身を貫いている。
「あ、ミセルおじさん」
まだ舌足らずのベラが駆け寄って抱き着いている。
彼女はミシェルが大好きだ。
次男のジュリアを抱いたままのオーロラはイヴァンを連れてきた。
「ミシェル。来てくれてありがとう。恩に着るわ。この子の症状なの。見てもらえる?」
イヴァンが最近夜になると眼が冴えて眠れないと言うのだ。
朝方になってやっと眠れるらしいが、まだ五歳の子でそれはとてもつらいだろう。
王宮医にも見せたが全然わからないという。
「うーん。どれどれ」
ミシェルが見るが考え込んでいる。
「他の症状は?」
「えっと夢を見ます」
「夢?どんな?」
「金色の光の中をずっと漂っている夢です。あと声がします。お前を待ってたって言われます」
「待ってた……か」
考え込んでいたがこんなことを言いだした。
「魔力が覚醒する前じゃないか?」
「え?」
オーロラが驚いた。
「以前はそんなことなかったけれど……」
「以前?」
「いいえ。でも魔力が覚醒するのは通常十歳を超えてからとか言うじゃない」
「だが、早くに覚醒する人間もいる」
ウォルターは自分が金色の魔力が覚醒する前後を考えてみた。
確かに夢などは見がちになって寝れない夜はあったが、ここまでひどいことはなかった気がする。
「俺も覚醒する前は少し眠りが浅かった時期はあったけど、ここまでではなかったな」
毎夜毎夜うなされるイヴァンを見るとかわいそうになってくる。
「ということは強力な魔力ということだ」
「何?」
「まあ見ておいてください。殿下。数日後に覚醒すると思いますよ」
ミシェルはそれだけ言うと帰っていった。
魔力か……。
だがその数日後、本当に覚醒したのだ。
また剣術の稽古をしていたときだ。
イヴァンが剣をふるうと金色とも銀色とも見まごう光が剣を包み込んだ。
「うわっ!」
「イヴァン!」
驚いて近づこうとするも近づけすらしない。
「オーロラ!オーロラを呼ぶんだ!」
あわててやってきたオーロラはその光を見て息をのんでいる。
「これはっ!」
「どうした?」
「わたしが死ぬ前に見た光ですわ。この色は……はっきりと覚えています。イヴァンが神々しく光っていたのを」
その時人間のものとは思えない声が聞こえた。
『わたしのいとし子よ』
え?
そこに現れたのは一度見たことのあるオルディウスだった。
精霊王である。
イヴァンの魔力が精霊王のものだというのか?
「この子の祈りが通じ、ようやくここに世界が完成した」
「もしかしてイヴァンが?」
「ああ。そうだ。この子の祈りがわたしに通じ、時を巻き戻した。時を巻き戻せねばならぬ事態だった。乗り越えてくれたそなたたちを誇りに思う」
なんということだ。
イヴァンのおかげで皆時を逆戻り、そしてオーロラの頑張りのおかげですべてがうまくいったと?
「アウラよ。ノクティスよ。出てきなさい」
ふたりの精霊が顔を出した。
「そなたたちもがんばってくれたな。白の精霊の不正を暴いてくれた。礼を言おう」
「「ありがとうございます」」
イヴァンは驚いたように固まっていた。
精霊王はそのままイヴァンとともにこれからもあるだろう。
オーロラがイヴァンを抱きしめた。
「イヴァンにはすごい精霊が契約してくださったみたいよ」
「えっと。僕」
「いいのよ。イヴァンはいつもイヴァン。わたしたちの最高の子どもなの」
「そうなのですか。お母様」
「ええ。これからもみな、一緒よ」
「はいっ!」
イヴァンの元気な声が王宮にこだました。
~fin~
ミシェルがやってきた。彼は未だ独身を貫いている。
「あ、ミセルおじさん」
まだ舌足らずのベラが駆け寄って抱き着いている。
彼女はミシェルが大好きだ。
次男のジュリアを抱いたままのオーロラはイヴァンを連れてきた。
「ミシェル。来てくれてありがとう。恩に着るわ。この子の症状なの。見てもらえる?」
イヴァンが最近夜になると眼が冴えて眠れないと言うのだ。
朝方になってやっと眠れるらしいが、まだ五歳の子でそれはとてもつらいだろう。
王宮医にも見せたが全然わからないという。
「うーん。どれどれ」
ミシェルが見るが考え込んでいる。
「他の症状は?」
「えっと夢を見ます」
「夢?どんな?」
「金色の光の中をずっと漂っている夢です。あと声がします。お前を待ってたって言われます」
「待ってた……か」
考え込んでいたがこんなことを言いだした。
「魔力が覚醒する前じゃないか?」
「え?」
オーロラが驚いた。
「以前はそんなことなかったけれど……」
「以前?」
「いいえ。でも魔力が覚醒するのは通常十歳を超えてからとか言うじゃない」
「だが、早くに覚醒する人間もいる」
ウォルターは自分が金色の魔力が覚醒する前後を考えてみた。
確かに夢などは見がちになって寝れない夜はあったが、ここまでひどいことはなかった気がする。
「俺も覚醒する前は少し眠りが浅かった時期はあったけど、ここまでではなかったな」
毎夜毎夜うなされるイヴァンを見るとかわいそうになってくる。
「ということは強力な魔力ということだ」
「何?」
「まあ見ておいてください。殿下。数日後に覚醒すると思いますよ」
ミシェルはそれだけ言うと帰っていった。
魔力か……。
だがその数日後、本当に覚醒したのだ。
また剣術の稽古をしていたときだ。
イヴァンが剣をふるうと金色とも銀色とも見まごう光が剣を包み込んだ。
「うわっ!」
「イヴァン!」
驚いて近づこうとするも近づけすらしない。
「オーロラ!オーロラを呼ぶんだ!」
あわててやってきたオーロラはその光を見て息をのんでいる。
「これはっ!」
「どうした?」
「わたしが死ぬ前に見た光ですわ。この色は……はっきりと覚えています。イヴァンが神々しく光っていたのを」
その時人間のものとは思えない声が聞こえた。
『わたしのいとし子よ』
え?
そこに現れたのは一度見たことのあるオルディウスだった。
精霊王である。
イヴァンの魔力が精霊王のものだというのか?
「この子の祈りが通じ、ようやくここに世界が完成した」
「もしかしてイヴァンが?」
「ああ。そうだ。この子の祈りがわたしに通じ、時を巻き戻した。時を巻き戻せねばならぬ事態だった。乗り越えてくれたそなたたちを誇りに思う」
なんということだ。
イヴァンのおかげで皆時を逆戻り、そしてオーロラの頑張りのおかげですべてがうまくいったと?
「アウラよ。ノクティスよ。出てきなさい」
ふたりの精霊が顔を出した。
「そなたたちもがんばってくれたな。白の精霊の不正を暴いてくれた。礼を言おう」
「「ありがとうございます」」
イヴァンは驚いたように固まっていた。
精霊王はそのままイヴァンとともにこれからもあるだろう。
オーロラがイヴァンを抱きしめた。
「イヴァンにはすごい精霊が契約してくださったみたいよ」
「えっと。僕」
「いいのよ。イヴァンはいつもイヴァン。わたしたちの最高の子どもなの」
「そうなのですか。お母様」
「ええ。これからもみな、一緒よ」
「はいっ!」
イヴァンの元気な声が王宮にこだました。
~fin~


