【改稿版】記憶を失くした御曹司と偽りの妻
家族がICUへ向かっていって、廊下に私と怜央だけが残った。
たぶん私は、かなり情けない顔をしていたと思う。
緊張が切れたせいで、膝の力がどこかへ行っていた。
「……終わったんですね」
「終わった」
怜央はそこで、ようやく少しだけ息を吐いた。
「待ってたのか」
「待ってるって言ったでしょう」
「そうだったな」
ほんの少しだけ、口元が緩む。
オペ室の前ではあんなに近寄りがたかったのに、その顔を私に向けるときだけ、空気が変わる。
「待っていてくれて助かった」
「え?」
「出たあと、君の顔を見たかった」
ああもう、本当にずるい。
この人に、どうやって勝てばいいんだろう。
たぶん私は、かなり情けない顔をしていたと思う。
緊張が切れたせいで、膝の力がどこかへ行っていた。
「……終わったんですね」
「終わった」
怜央はそこで、ようやく少しだけ息を吐いた。
「待ってたのか」
「待ってるって言ったでしょう」
「そうだったな」
ほんの少しだけ、口元が緩む。
オペ室の前ではあんなに近寄りがたかったのに、その顔を私に向けるときだけ、空気が変わる。
「待っていてくれて助かった」
「え?」
「出たあと、君の顔を見たかった」
ああもう、本当にずるい。
この人に、どうやって勝てばいいんだろう。