秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
「もう少し寝てろ」

逃がさないように、抱き寄せられる腕。

その距離の近さに、鼓動がまた速くなる。

「でも……」

「いいから」

耳元で囁かれて、言葉が続かない。

そのまま、軽く口づけられる。

触れるだけの、甘いキス。

昨夜とは違うのに――それでも、心が揺れる。

「もっと俺の側にいろよ」

低く、独占するような声音。

胸が締めつけられる。

(……だめ)

そう思うのに、離れられない。

「……はい」

小さく頷いてしまう自分がいる。

「これからプレゼント買いに行くか」

「え?」

思わず顔を上げる。

「まだ渡してないだろ」

「そんな……もう十分です」

昨夜のことで、十分すぎるくらいなのに。

それ以上を望んだら――本当に戻れなくなる。

「遠慮するな」
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