秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
優しさと、抑えきれない感情が混ざったキス。

何度も、何度も重ねられて。

思考が、溶けていく。

「愛果っ」

そして社長が激しく腰を振り終えた。

私の中に、彼の命が流れて来るのを感じた。

「社長……中に……」

「ああ、出した。愛し合った証だ」

その言葉を聞いて、涙が溢れる。

愛し合ったなんて。本当はしちゃいけないのに。

「ひっ……」

「泣くな、愛果」

社長は私をぎゅっと抱きしめた。

「おまえは、俺を好きでいれば、それでいいんだ」

その言葉に、完全に捕まる。

(そんなの……)

ずるい。それでいいなんて、言われたら。

もう、逃げる理由なんてなくなる。

それでも――私は、その腕の中から離れられなかった。

(逃げられない……)

分かっているのに。むしろ――

(離れたくない)

そう思ってしまう自分が、何よりも怖かった。
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