秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
「あり得るでしょ。あの距離感見てたら」

「確かに……あれ、ただの上司と秘書じゃないよね」

笑い混じりの声。

けれど、その奥にあるのは興味と――確信。

(……やめて)

そう思うのに、足が動かない。

「愛果さん、綺麗だしね。社長が目をかけても不思議じゃない」

「でもさ、婚約の話あるんでしょ?」

「そうそう。それなのにあれって……ちょっと問題じゃない?」

言葉が、刺さる。

(……問題)

自分でも分かっている。

この関係が、どれだけ危ういか。

「どっちからなんだろうね」

「社長じゃない?あの人、最近明らかに態度違うし」

「囲い込みってやつ?」

くすっと笑う声。

「秘書って立場、利用してる感じするよね」

「愛果さんも断れないだろうし」

――違う。
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