秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
それなのに――

(子ども……?)

現実味を帯びた瞬間、息が苦しくなる。

ベッドの端に座り込んで、頭を抱える。

(誰にも……言えない)

司に伝えるべきなのか。

それとも――考えるほど、怖くなる。

あの人は、「放さない」と言った。

でも、それは私自身のこと。

この状況まで、受け入れてくれるのかは分からない。

(もし……)

最悪の想像が、頭をよぎる。

拒まれたら。関係を切られたら。

全部、終わってしまう。

「……だめ」

ぎゅっと自分の腕を抱きしめる。

今はまだ、確定じゃない。

ただ遅れているだけかもしれない。

そう思いたいのに。

(でも……怖い)

胸の奥が、不安でいっぱいになる。

誰にも頼れない。誰にも相談できない。

この状況を作ったのは、自分だから。
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