秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
「俺も同じだ」

意外な言葉に、顔を上げる。

「お前がいなければ、意味がない」

まっすぐな視線。その中に、迷いはない。

「だから」

そのまま、頬に触れられる。

指輪をはめた手が、優しく持ち上げられる。

「一生離さない」

はっきりと、言い切られる。

その言葉に、胸が強く締めつけられる。

(……ああ、ここにいたい)

そう思ってしまう。

「……はい」

小さく頷く。

その瞬間、優しく口づけられる。

甘くて、静かなキス。未来を確かめるように。

「これからは、隣にいろ」

低く囁かれる。

「ずっとだ」

「……はい」

もう迷わない。この人の隣で生きていく。

そう決めたから。

抱きしめられながら、目を閉じる。

温もりが、確かにそこにある。

(これが……未来)

不安も、迷いもある。

それでも――この腕の中なら、乗り越えられる。

そう思えた。私はただ、静かにそのぬくもりに身を委ねた。


ー End -

< 90 / 90 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:49

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

桜散る、その前に

総文字数/20,163

その他60ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
医者である和弥は、恋人・彩の家に婿養子として入ることを決めた。 それは愛の選択であると同時に、自らの過去から逃げるためでもあった。 新しい家、新しい名字、新しい人生。 だが、同じ病院で働く医師・司だけは、和弥の“何か”に気づいていた。 ある日交わされた何気ない会話。 それをきっかけに、和弥はぽつりぽつりと語り始める—— 誰にも話さなかった、自分の生い立ちを。 それは、桜が散るよりも前に終わってしまった、ある約束の記憶だった。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop