入学先が、急に変更……?変更先に行ったら、そこはなんと男子校でした2

『 乱入者登場 』

録咲 萌、元ヤン歴2年。

中1、中2の時、色々あって不良になりました。

だから、喧嘩とか圧のかけ方とか上手いんだよね。

もう今は卒業したけど、癖ついちゃってる。

僕が低音を出した瞬間、結構空気が変わった。

ピリッと電気が走ったような感覚。

「……あ?」

「……ん〜?」

「……は?」

やば、地雷踏んだかも。

どうしようと慌てていると。

「そこっ!萌に触んな!!」

鋭くて、どこか聞き慣れた高い声が聞こえた。

咄嗟に振り向くと、いたのは────

元親友の花音に、よく似た男子だった。

身長も所々似てるような……?

すると、その男子は僕に近づき……

「会いたかったよぉぉぉ!」

抱きつかれて、号泣された。

この温かい体温で、実感する。

ああ、この人は、花音だと。

……でも、躊躇なく花音を捨てた僕が、抱きつかれていいのだろうか。

よく分かんなくて、言葉を選ばずに言ってしまう。

「……もう絶交したはずじゃん……」

それでも君は笑って、涙でいっぱいの綺麗な顔を、くしゃりと微笑んだ。

「これで仲直りっ。ね?」

懐かしい、指切りげんまんの小指と小指を合わせる、約束の結び目。

ガキっぽいと思っていたけど、よく感じたら、案外いいかも。

そんな感動の再会に、水を差す空気読めない奴が一人。

「そういうの要らんから。しかもそこのギャルは何者?」

興味なさげにツッコミを打つ誰かさん。

恨みしげに見ると、あの出会い方最悪のプレイボーイだった。

でもほんとよく見ると、顔綺麗だよね。

マジでムカつく。

ギャルって……花音の事かな?

確かにバリバリ陽キャリア充ギャルって感じだもんね。

オーラ隠せてないし、女子力高いしそのうち男装バレちゃうんじゃ?

僕が最初から危機感意識ないからいいけど。

そもそも強制的に男装させられた身だし。

あんま状況理解してないし、まあバレてもいっかっていうくらいの軽さ。


というかなんでここにいるんだよ。


そんな事を考えていると、花音は目つきが鋭くなった。

「何?ヤンキーじゃんあんた。」

「いやお前がな。」

冷静なツッコミ。ほぼ神ってる。

「ていうか全員萌に近づくなっ!!」

威嚇のように怒鳴る花音。

えぇ〜、やば。泣きそう……

そういえば、僕の事一番大事に思ってたんだっけ。

さっき仲直り的なものしたけど……、正式にっていうか、ちゃんとやり直したい。

その方が誠実でいいと思わない?

誰に聞いてるんだろ。自分に問いかけてんのかな。

……。

ま、いっか〜。

呑気にそんな事を思っていると、放送が鳴った。

みんな一旦黙る。

「不法侵入、不法侵入。名前は────」

プツッと、切れる。

呆気なく。

……いや、何事?

えと、不法侵入といえば花音とか?

……ん?

周りを見渡すと、花音がいない。

つい一秒前くらいにいた……よね?

し────────ん。

沈黙が、訪れる。

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