おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「……うし」立ち上がった彼にすぐに抱きしめられる。「ハッピーバースデー望海。これがおれからきみへのプレゼントだよ。一生、一緒にいよう、な……」

「――はい」

 親指で、どんどんあふれる涙を拭われ、「化粧直しが必要だな」

「ちょっと」とわたしは笑った。「この状況で……空気ぶち壊す発言しないの」

「おまえ。相変わらず可愛いな。……おれの、望海……」

「んっ」速攻でキス。ちょっとここ公園ですけど。――が、わーすげー、と拍手してる女子高生もいたりして。なんなの。見世物ではありませんよっ。

 そしてわたしはあなたに口づけされると馬鹿みたいに蕩けてしまいそうになる。バターのように。……あなたに、骨抜き。

 抱きしめあい、互いのぬくもりを味わい、匂いを鼻腔に叩き込み、積年の想いを重ねる。

「――なあ。望海……」

「なぁに? 蓮二」

 わたしがあなたの肩から顔を離すと、あなたは、わたしの頬をその大きな手で包み込み、

「今夜……眠れると思うなよ。

 おれが、おまえを、――可愛く、鳴かせてやる」

 くすっとわたしは笑った。「ええ。ご存分に」
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