おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「言ったな」途端に、足が、宙を浮く。ウエストを支えられ、高くあげられたのだと分かったのはこの数瞬後。万歳をするような体勢で蓮二は、

「望海ぃーっ。……だいっ、すきだぁあああー--!!」

 一旦わたしを下ろすと海に向かって叫んだ。「わたしも、蓮二を、愛してるぅー-!!!」

 止まった。顔を見合わせてげらげらと笑った。そして、蓮二は、「よ」とわたしを米俵のように担ぎ上げると、すたすたと歩いていく。……ってめっちゃ視線刺さる……。

 まぁいっか。

 本当はお姫様抱っこがよかったけれど、米俵担ぐみたく運ばれ、足をばたばたさせるくらいがちょうどいい。そんなわたしたち――。

 わたし、あなたのおかげで、可愛くなれた。だからね――蓮二。

 もっともっと、可愛くなってみせるよ。蓮二。

 愛するひとの背を撫で、そっとわたしは告げた。

「愛してる」

 ―第一部・完―
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