おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 ――そう。このひとは、過去の罪でわたしを糾弾するためではなく。わたしを、愛しているからこそ、……その想いを伝えるがために、この話を振ったのだ。聡いこのひとは二度と過去を掘り返すことはしない。いつも、……やさしい目的があって動いているひとなんだ。仕事を通じてそのことは分かっていた。Blurの歌う『Tender』って曲みたいにやさしいひと……。

「じゃー続きな」頭の切り替えも速い。「次はなにつける?」

「ここで美顔器の登場です」

「うおー。ここで来たかーっ」

「……まあ、リーズナブルなお値段のものです。国産はちょっと手が出ませんでした」

「いいんだよ。いまは外国産でもすごくいいものがあるじゃないか。パソコンなんかみんな韓国製さ」

「それで。……コットンを挟み。ねっとりとしたこちらの化粧水と、……しゃばしゃば系の化粧水を組み合わせ。顔にぬりぬりしていきます……」

「あーおれ、スチーマー派なんだよなー。やっぱ美顔器ってすごい?」

 ふふ、とわたしは笑った。「水分量が跳ねあがりまして。肌年齢が二十歳になりました」

「おお。……おれと同じじゃないか」
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