おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#24. 彼が愛したひと

「えぇと……蓮二の義理のお姉さんが……北原琉実(るみ)……さん、なんですか……」

 嘘。嘘でしょう……。わたしレベルでも知っている。世界レベルで有名な、メイクアップアーティストだ。芸能人ならVPMのメイクを手掛けているという。韓国の、キレッキレのダンスを披露するアーティスト。かつ、自身でメイクブランドをプロデュースしていることでも知られる。『ルミルミ』は、プチプラながらもハイクオリティだ。

「御高名は存じ上げております。……会えて、光栄です……」

「あはは。堅苦しくしないでいいよ。……望海ちゃん、って呼んでいい? あたしは琉実さんでオッケーよ」

「あはい。……琉実さん。今日は、お時間を作ってくださり、ありがとうございます……お忙しい中すみません」

「……全員集合したところだから、行こうか」

「そうだね」

「はい」

 蓮二は黙ってわたしの手を取り――握った。琉実さんの前で、というためらいも胸の奥に表出はしたが、けども、されるがままにした。蓮二のやや険しい表情に……なにかを予感していたから。
< 166 / 225 >

この作品をシェア

pagetop