おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 そう。このときからきっとわたしには分かっていたんだ……琉実さんがあなたにとって、特別なひとなのだと。

 * * *

「……結構攻めてるデザインですが。いいんですかね……」

「いいのいいのこういうときでもないと着られないんだから。せっかくなんだし、一番いいの、買っちゃいないよ」

 ふむ、と鏡のなかの自分を見る。オフショルダーで、デコルテや腕があらわとなったカクテルドレスで……後ろが膝よりやや下回る丈なのだけれど、後ろ下がりで、前方が膝くらいの長さで。へーえ丈感の違いでこんなにも印象が変わるのかとどっきりする。色は、いまは、ワインレッドを着ているが、他に、紺や、緑色、ホワイトもある。

「秋だし……こういう、深みのあるボルドーがいいかもね。髪は編み込みにしてアップにして……そうね。カラーマスカラとライナーで印象的にして、以外のメイクは抑えめで。攻めまくっちゃいましょう……出来るでしょう? 蓮二くん」

「問題ない」と腕組みをする蓮二は、「当日のヘアメイクはおれがやってみせるよ。大船に乗ったつもりでいてくれ。望海」

「ふふ。頼もしいなぁ……。じゃあ……蓮二くんのスーツも決めようか」
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