おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 ……琉実さんからの、メッセージ。ふと思うところがあり、寝室に行き、……自分の携帯でライトを照らし、壁いっぱいにある本棚の本をチェックしてみる。アプリ開発……美容……美容関係が半分といったところか。

 違和感の正体はこれか。――北原琉実は著作を数作品出しているはず。兄の嫁である彼女の本がないはずがないのに……何故、それが、ない? ……隅に、背表紙が壁側に仕舞われた本を見つけた。……これは。

「……北原琉実の本……」

 何故。わざわざ背表紙をひっくり返して仕舞われている? 疑問に思い、本を、開くと――はらり、と一葉の写真が落ちた。拾ってみてみると、

「……っ」

 ――そこに、映っていたのは。

 まだ、あどけない少年の顔をした蓮二と……琉実さんを挟んで立つのは、お兄さんの幸一さんだろうか。顔が、似ている。三人が制服姿で映っており、……蓮二の手が、琉実さんの肩を、抱いていた。

 *
< 171 / 225 >

この作品をシェア

pagetop